「"マクラッシュ"」 コリン・マクレー 逝く。
また偉大なドライバーがこの世を去った。
ニュースによると、
【ロンドン】英警察当局によると、世界ラリー選手権(WRC)元王者のドライバー、コリン・マクレー氏(39)が乗っていたヘリコプターが15日夕、英スコットランド・グラスゴー南方約50キロの地点で墜落し、搭乗者4人全員が死亡した。
ヘリコプターは同氏の自家用で、現場は自宅近くだった。
マクレー氏は1995年、スバルチームに所属、WRCで史上最年少の27歳で総合王座につき、その後も英国を代表するドライバーとして活躍、WRC通算25勝をあげた。2004、05年の「パリ―ダカール・ラリー」には日産チームに加わって参戦した。
コリンマクレーといえば、
あの豪快な走り。
そして、限界まで攻めてのクラッシュ。
彼の生き様がよく分かる動画
→ColinMcRae Video Tribute
→ColinMcRae X-GAMES
とにかく不死身だった。
このニュースを知った時も、
「そんなの嘘だ。きっと何事も無かったかのように戻ってきてくれるはず。」
だと思った。
でも…、
その願いは叶わなかったようだ。
ファンの間で語り継がれていることといえば、
WRC参戦をはじめたばかりのスバルの若き期待の星として、しばしば目を見張るスピードを見せるものの派手なクラッシュも多く、
「マクラッシュ(壊し屋マクレー)」と称されたこと。
頭に血が上ると、とにかく物に当たり、チームオーダーが言い渡されるとタイヤを蹴り飛ばし、車が動かなくなるとボディを蹴る。
そのため「コリンは蹴ってマシンを修理しているんだ」というジョークが生まれ、ネット上では「マクレーキック」なる言葉まで生まれたこと。
そして、クラッシュの数だけ怪我も増える。
特にフォード時代は突き出した木の枝で頬骨は折るわ、肺は痛めるわ、挙句の果てには小指が切断寸前の状態になるなど散々な目に合った。
だが、マシンが半分近く潰れるほどの大クラッシュに見舞われても、その多くが無傷だったこと。
(実際、初期のフォーカス WRCは「重戦車」の異名を持ち、少なくともボディの頑丈さだけは他のWRカーよりも群を抜いていたといわれ、「フォーカスでなければコリンは死んでいた」とする声も)
WRCの黄金時代を支えてきた人達がどんどんいなくなることは、とても悲しいです。
しかもまだ若いのに、早すぎです…。
4年前の春には長年スバルを支えてきた
「ポッサム・ボーン」享年47歳
2年前の同じ時期にはマルコ・マルティンのコ・ドライバーで、"ビーフ"の愛称で親しまれた
「マイケル・パーク」享年39歳
その年の年末には僕自身、WRCが好きになったきっかけともなった人で、2001年のチャンピオン
「リチャード・バーンズ」享年34歳
そして、WRCというものの知名度を上げた最大の功労者で、1995年のチャンピオン
「コリン・マクレー」享年39歳
きっと天国でも、ラリーを楽しんでいるのでしょうか。
お酒でも飲んで、楽しいおしゃべりに花を咲かせていることでしょう…。
ご冥福をお祈りいたします。